スカイロフトの中心から外れた所にあるパンプキンバー。久しぶりにあの味が食べたくなって、僕はを連れてその場所へ訪れた。
初めて見るものばかりだからか、は僕の服の裾を掴んだまま周りを警戒しつつ、しかし興味はあるのかキョロキョロと首を動かしていた。
扉を開けて奥へ入れば、バーのマスターが少し驚いた顔をしていた。
「なんだぁリンク、女か?…にしては小さいな。まさかお前…」
「違うから!」
違わないけど違う。幼女趣味では決して無い。そこだけしっかりと否定しておいてから、改めてマスターに二つの空き瓶を差し出してスープを頼んだ。
代金を払って、片方をに差し出す。しかしはほかほかと温かいそれに眉根を寄せて訝しげに見ていた。
僕はそんなを見ながらも自分のスープに口をつける。
「……」
「どしたの、。飲まないの?おいしいよ」
「…これわたし食べたこと無い。怪しい。いらない」
キッパリと言われたその言葉に、バーのマスターもウェイトレスのパナンちゃんも僕も客も驚いた顔をする。
マスターに至ってはまさか怪しいとまで言われるなどと思っていなかったらしく、驚きを通り越して唖然としていた。
「えーと…おいしいよ?」
「リンク食べていいよ。わたし、こんな色のついた水なんて毒しかしらないけど、リンクには害ないみたい」
「いや、誰にも害なんてないと思うけど…うーん」
無理に食べさせるのもよくないとは思うものの、こんなおいしいものを知らないままなんてのも損している気がする。…なによりマスターの目が痛い。
僕は自分のスープをごくごくと飲んで、最後の一口程を残しに差し出した。眉根を寄せて瓶の中身を睨みつけるの頭をなでて、
大丈夫、とささやきながらゆっくり彼女の口に付けて傾けた。
最初は肩を揺らして硬直していたが、スープが舌の上まで流れると、目を大きく開いて無言のままごくりと飲み込んだ。
「……リンク」
「おいしいでしょ」
「…うん。あの、リンク、さっきの…」
「とったりしないよ。はいどうぞ」
先ほどが苦い顔で僕に押し付けた瓶を返すと、いそいそとフタを開けて口をつける。熱い、と少し困った顔をしながらちびちびと飲み始めた。
「おいしい。びっくりした」
「だろ?お嬢ちゃんが怪しいとか言い出した時はびっくりしたぜ」
「作った人?…ごめんなさい。食べず嫌い良くなかった」
「いい子だな、嬢ちゃんは!将来いい女になるぜ」
「知ってるよ。そろそろ行こうか、
「ん。…あ、リンク」
最後の一口を残して、は思い出したように僕を見て手招きした。腰をかがめて顔を近づけて「何?」と首をかしげれば、は瓶の最後の一口を飲んで、
「…!?」
「さっき、少しもらったから。ありがとう、お返し」
「………あのね、」
「?リンク、いつもしてる…から」
「……おいリンク、そんな小さな子に手を出すなよ…」
…僕は、とりあえずこの場面で何をに伝えればいいのか、停止した頭で考えようとしたけども、
が満足そうに瓶を片付け僕の手を引き店を出ようとするまで、結局何かをいうことは出来なかった。

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